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シン・ゴジラを観たんだ

2016年07月31日 13:28

全くノーマークであった。早くズートピアがDVDにならんかなあと待っているところだ。何しろようやく最近この監督の前作シュガーラッシュを観てその出来の凄さに震撼したものなので。
さてシンゴジラ。ワンフェス辺りでエヴァとゴジラを混ぜたようなフィギュアを作った方がいたようだが、その気持ちはよくわかる。
ネタバレありで行きますよん。






予告編を見た時からこの構図エヴァで見たなあ、ま、監督が同じならそうなるか。くらいに思ってた。
何で特段の期待もなかったわけで。ところが最近の当該作品の高評価ぶりと来たら!
じつは去年のマッドマックスもあまり期待してなかったのがあまりに高評価の話ばかりが流れてくるので観に行ってみたら、まあ、そりゃ、あなた、ほら、凄いじゃあ~りませんか。
なのできっと楽しめるだろう、と公開二日目TOHOシネマズ府中へGO。あ。ポケモンはやっておりませぬ。
初めて見たわ、あんなに府中のシネコンが混んでるの。夜の回だったのだが7割がた席は埋まってたか。

で肝心のシンゴジラなんですが、
とても面白かったです。でも何だかえらくもやもやした気分も残ったのも事実。

そのもやもやについて考察したい。
話の流れはこう。
突如現れた巨大生物に東京は荒らされ日本政府は有効な手を打つことができず一度は逃がしてしまう。
二度目に現れた時には打てる手をすべて打つもゴジラと命名されたその生物の超破壊力によって大被害を出してしまう。
アメリカに核を使うと言われ自分たちでできる事をぎりぎりまでやろうと残された政府の人間は団結し特殊な薬剤を作りこれをゴジラに飲ませることでと倒す事に成功する。
てな具合。
エヴァを見てて「ああ、怪獣アニメを作りたかったんだなあ」と思ってた。庵野氏の作品で最初に見たのが例のウルトラマンだったのでなおさらそう思う。そう言う人が作ったのだと思うと感慨深い。

もやもやその一
ちょっと日本人礼賛し過ぎじゃね?
そりゃ危機に陥って団結して平時を上回るの力を発揮するのはいいです。
でもこの映画でもきっちり描かれていたことだけれど、今までトップに立ってた政治家がほぼ全滅して、世代交代の行われた状態で日本は初めてゴジラに対抗できたわけですよ。
つまり「今の政治家では日本は滅ぶ」と言ってるわけだ。
でもね、それが分かりにくい。正確に言うと見てればちゃんとわかるんだけれども、見終わった後
「やっぱり日本は素晴らしい!だからこれからもお願いしますよ今の政府様!」
になりかねない感じなんだよね。
それくらい鑑賞後、後半の好印象が勝ってしまうのだ。これは良くない。
じゃ、どうすればよかったか?それは、外連味が足りない。
もっとわかり易く、わざとらしく、無能な現政治家が現状を悪化させて退場する事。これがあまり描かれている気がしない。
自衛隊を貸してもらい、ロケに協力してもらい、などと大人の事情であまり悪く描けなかったんじゃねーの?と勘ぐってしまいます。
行間を読むのも映画鑑賞の楽しさだけど結構読まない人もいるのでね。アメリカンスナイパーもアメリカの戦争礼賛だと吹聴してた共和党の人もいたようだし。

そ れ に

海洋投棄してないだけで放射性廃棄物は日本は大量に生み出しているよ、そこはスルー?

もやもやその二
パニックシーンの違和感。
ゴジラの出現で東京はエライことになります。
なので避難民が大量に出ます。町が壊れます。
でも町が壊されるショットの中に逃げ惑う人々の姿がない。
序盤の吞川でのシーンと、倒壊するマンションの住民しか記憶にない。吞川にしても少しあったかどうか、というレベルだ。
鎌倉のシークエンスがもう少し!人々がゴジラの尻尾を見上げるシーンはあれど町は壊れず、街角からゴジラを至近距離から見上げるシーンで歩行による振動が描かれない。ううう、モッタイナイ、モッタイナイ、お化けが出そうだ!
ハリウッド版(トンチキイグアナバージョンじゃない方)では津波のシーンとか民衆に迫る危機がちゃんと描かれていたのに。
まるでゴジラと市井の方々が別世界にいるようだ。
そして死体と重傷者の絵もない。
別にグロシーンよこせとは言ってないんだ。
でも血が流れる描写があることで観客の「危機感」はいや増す状態になる。血は見せなくとも構わない、死体袋を並べるだけでいい。とても基本的なところだと思う。
映画館ロビーで待っていると観てきた方が「ゴジラ可哀想だったね」としゃべってた。ここでネタバレすんじゃねえ、とその時は思ったがそういう印象にもつながってしまうのだ。
つまり、あまり被害出てない印象がある。これは怪獣映画では大問題ではないか?
ただこれにも大人の事情が予想できる。
我が国は巨大地震で大量の被災者と死傷者を出している。当時の記憶を喚起するようなシーンがためらわれるのは当然かもしれない。体育館に死体をずらりと並べるシーンがあったとしてもそれを日本の映画でやるのは見方によってはただの悪趣味と捉えられかねない。
同じ事情で某児童マンガ雑誌には地震のシーンが描かれないことになっている。

ここは逃げたな、という誹りは受けてもらおう。

あと予算?

もやもやその三
クライマックスの作戦な。
残された本来はつま弾きもの的な連中が危機を打開するというカタルシス満載のシークエンス。前述のとおり外連味が足りないせいでカタルシスも抑え気味。
それは置いとくとして、薬剤を経口投与する、という作戦なんだがなんか変。
だってゴジラの口は見た目では口だけど「吐く」しか見せてねーじゃん。食ってないじゃん。解剖学的にあいつの口から流し込んだものが全身に回るって説明なかったよね。
だからせめて放水車のノズルが喉の奥に突っ込まれて無理やり流し込むシーン見たかったよ。でもほとんど俯瞰じゃん。アップあっても外側だけで、口の中のショットがあってもよかったでしょ。
ビル崩してゴジラを封じ込める作戦はナイスです。でもそんななか放水車が何台もあっさりゴジラの頭部に近づけるのっておかしくね?がれきやら地割れやらで普通むりだろ。パニックシーンで渋滞で車を放棄してたけどまさにあの辺一帯はそういう処だろ?
近づけるわけないじゃん。
一度目はゴジラの炎で突撃隊は全滅。でも二度目で簡単に達成してしまうんだよね。
せめて薬剤を作るのに日数が足りなかったんだから一度目の全滅で薬剤が足りなくなる危機とか、またゴジラが目覚めたらやばいよみたいなハラハラ感を出してほしかった。
主人公たちも割と近いところで指示を出してはいるんだけれどもそれほど危ないって感じがなかったのは残念。がれきが降ってきたりくらいしても良かったんじゃないの?
ここも外連味が足りないよね。ゴジラの能力が使徒かよ!と突っ込みたくなるくらい外連味があるのに、だ。

作戦が地味なんだからそこは少し頑張ってほしかったッス。


観終わった時の完全勝利感が半端なく本当は問題が山積していることを気にさせないほどだ。
でも俺はもやもやが残った。
この祖語感をあえて作り出していて、観客全員に伝わっているなら傑作と呼んでもいいだろう。
怪獣映画とは?問いの回答としてのひな型としてある意味パーフェクトなものが出来たのはやはり庵野氏のおかげだろう。
人に勧めてもいい映画だ。子供にはわからないだろうけど、それは構わない。
だって
今の政治家、あるいは性根、または社会的風潮を取り換えてシン世代にならないとまずいんだぜ、そういうメッセージの映画だと思うから。
大人世代に問題提起してるんじゃないかな?怪獣というフックのおかげで分からないまま大人になった子供たちが再びこの映画を見たとき意味が分かればよい。

決して日本人万歳映画ではないはずだよ。



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