最近のアニメファンは可哀想だと思う。
萌えアニメしか見せてもらえないじゃんか。
なぜか。
ちょくちょく話題になることのある「若者のクルマ離れ」。
いろんな人が意見を言うので僕も言う。誰ともかぶらない意見なので。
これは社会の持つ性質によって露見した現象の一つに過ぎない。
クルマに限って言う。
バブル期の商品開発の失敗、その後遺症だ。
「出せば売れた」時代、国産メーカーはやたら短いスパンでモデルチェンジをした。
それが必ずしもいい方向に行くわけでなくR32のような名車があるにもかかわらずモデルチェンジして評判を落とす日産スカイラインのようなことが幾度も起こった。
クルマファンはがっかりだ。
そしてバブル崩壊。
売れなくなった業績を修正するためにどんな業界でもやること「マーケティングによるリスクヘッジ」。
これによってその時消費者の関心を引くモデルだけがプッシュされる。
その結果がエコカーだのミニバンだのと行ったクルマばかりがもてはやされてる現状である。
それで好景気になったのか?
視点を変える。
日本中どの業界も顧客のニーズに関心を寄せてマーケティングに重点を置く。
それによって無駄なリスクを回避できるからだ。これがリスクヘッジ。
「羮に懲りて膾を吹く」じゃないが、バブル崩壊の痛手が大きいせいかそこに重点を置きすぎてはいまいか?
マーケティングの効果が大きい業界とそうでない業界があるのではないかと思うくらいだ。
それほどまでに皆がマーケティングによるリスクヘッジにこだわっている気がする。
それは言っててみれば「大人の世界」の話。そしてそれがいわゆる「社会」って奴。
ならば「子供の世界」はどうだろう?
子は親の鏡と言う。大人の行動は必ず子供に反映される。
インターネットというツールで得られる情報の中にはネガティブなものが少なくない。
クルマに関して言えば「維持費が高い」「事故は悲惨」「車検とか理不尽」みたいな。
こういう情報に触れた「子供の世界」から間もない若者世代は当然そういったものから距離を置こうとするだろう。
これがリスクヘッジだ。
大人の世界のリスクヘッジ神話が子供にも影響してるんだ。
魅力あるマシンを開発するとか教育するとかじゃあないんだ。
リスクを顧みないで冒険できる大人が賞賛される社会でなければだめなんだ。
カーレーサーやレースライダーが欧州と違って尊敬されない日本では無理だ。
彼らが尊敬されるのは「命を賭して勝ちを奪いにいける人間」だから。そこには猛烈なリスクが伴う。
それを理解できる日本人がどれだけいるか?
危険な山に登って遭難した人を尊敬できる日本人がどれだけいるか?
おそらく日本人はバブル期の反省も含めてもっと真摯にこの民族性と向き合わなければだめだ。
まだ皆心のどこかで「バブル」が本当の日本の姿だと思ってる節がある。
卑屈になっちゃあ駄目だけど謙虚にならないと。
野村克也監督と岡田斗司夫氏が同じこと言っている。
「失敗に理由はあるが、成功に理由はない」
成功に理由があるなら社長の自伝を読んだ人は皆成功するはずでしょ?
バブルはいろんな要因がたまたま日本にとって良い方向に向いた偶然の産物だったのだ。
日本の本質などではない。
80年代の少年ジャンプがすごかったのはたまたま才能ある編集者と作家が集まっただけだ。
決してアンケート調査による作品の選別が奏功したわけではない。
だけどそれを各雑誌まねてしまった。
でも出版不況だよね。なんで気付かないのか不思議だよ。
「面白いですけどこのジャンルアンケートとれないですから会議にかけてもねえ」
って平然と言う若い編集さんがいるのだから何をか況やですな。
アニメもまた良質の作品より萌えキャラ押しのつまらない作品の方がセールスを上げてしまうのだから、そっちしか作らなくなるのは当然だよね。
まれに冒険の結果いい作品が生まれることはあるけどそれが必ずセールスに結びついているかと言えば疑問だ。
そういう意味ではファン自身がアニメの未来を狭めてるのかもしれないが、そんな作品ばかりで育てられたんだ、可哀想だよ。
日本が物作りナントカみたいなことを言うならマーケティングは流通業以外止めることだ。
マーケティングは先の編集者のように自分で考えることを止めさせてしまう。
判断はするが考えない、そんな人間を作ってしまう。
良質なアニメも、クルマもバイクも、ネガティブな部分も含めて正面から取り組めば、こんなに面白いものもないのにね。
コメント
テクノン | URL | -
手塚先生の命日
この23年でファミコンからWiiに変わり、携帯電話は白黒からカラー表示。
ブラックジャックは単行本の収録話数が減っていき、私は週刊少年漫画雑誌を購入しなくなった。
アパッチ野球軍DVDを見ると、今のアニメが失った物が見える。
( 2012年02月09日 17:48 [編集] )
東篤志 | URL | -
命日
手塚先生の命日ですか…。
早いものですね。
僕らが失っていくいろんな物、まるで新しい技術や便利な物の登場と引き替えのようです。
( 2012年02月12日 00:59 [編集] )
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